校舎をつなぐ渡り廊下の隅に、今日夕方、このセミの姿を見つけたんです。
初めは「葉っぱかな?」と軽く目を止めた私だったのですが、よくよく見ると…セミと、そのぬけがらと二つ並んでいるではないですか。
思わず手のひらに乗せて見てみると、右半身は(完全ではないのですが)羽化していますが、左半身は羽がもともと異形のようで、根もとが縮んで機能を果たせていません。
手足も小さく青く…この姿では一度も羽ばたくことが出来ず、冷たい雨の中、命を終えていくのだなぁと思いました。
雨の強い日だった今日、渡り廊下の屋根の下に、もしかしたら優しい誰かがかわいそうに思って…移してくれたのかもしれませんね。
土の中で滋養し羽ばたく日を待っていたセミくん…。傘をさしながら、手のひらで包むと驚いたのか反射なのか…一生懸命半身だけで羽ばたこうと動きます。
あまりにもその姿が健気で、愛しく、私は手を離すことがなかなか出来ませんでした。
ただただ、包んであたためていたかった。
ローズマリーは一見、棘のように見えますが枝は柔軟に富み、油分で雨をしのぎます。
私は考えに考えて、そのセミをローズマリーの茂みに託しました。
校舎の片隅に…ひとつの命。
子どもたちが一緒だったら。
私はどのように、命の大切さ、そして自然のあるがままを伝えたのだろう。(Y)
★7/9追記
かわいそうに、ローズマリーの茂みの中で力尽きていました。
体はキレイでしたよ。香りに守られていたのですね(-.-)