入学式 2016(その2)
新入生に語られたメッセージの要点だけを、簡単にご紹介します。(加藤)
学長式辞
ご入学おめでとうございます。
皆さんは人生の決断をして今日を迎えました。大きな節目ですね。私も先ほどの就任式で学長になったばかりですので、皆さんと同期ということになります。どうかよろしくお願いします。
私は以前、NHKで、主にディレクターの仕事をしていました。その間、良かったなと思うのは、さまざまな人々と出会えたこと、海外に出かけられたこと、時代の節目でその現場に居合わせたことの3つです。
岡山放送局での経験ですが、渡辺和子さんに10分間のインタビューしたことがあります。彼女は当時、ノートルダム清心女子大学の学長に就任されていました。9歳の時に二・二六事件に遭遇し、目の前で父親が銃弾によって命を落とすという体験を持っておられ、雪の降る中での怒声と銃声が今も心に焼きつきているとのことです。
彼女の著作に「置かれた場所で咲きなさい」というものがありますが、この言葉は、つらい立場に置かれていた頃、宣教師から教わった詩の冒頭に記されていたそうです。神が定められた場所で、自分らしく、咲ける時には咲き、咲けない時には根を張る…。彼女はそういう気持ちを大切にしながら困難を乗り切ったというわけです。
さて、本学には「愛をもって仕えなさい」という建学の精神があります。この言葉は単に「シンボル」というわけでなくて、私たちの生き方の指針となるべきものです。118年目を迎える本学院には素晴らしい卒業生の皆さんがたくさんおいでになります。皆さんはその後を継いでください。「愛」は「相手を大切にする」、「仕える」は「行動する」。保育や介護にはぴったりの言葉です。本学には専攻科も備わっていますので、ワンランク上を目指すこともできます。
満開の桜が皆さんを祝福しているかのようです。夢と希望を持ってスタートしてください。
理事長祝辞
ご入学おめでとうございます。
今日から柳城の一員として、本学を支えていただくことになります。これからは、皆さんにとっては「学び」が生活の中心となりますので、毎日が新しい一日となるよう、一歩一歩、着実に歩んでいってください。
保育や介護の世界に進むためには、それらの知識や技術に加えて、自分の人間性が活かされることが必要です。本学の建学の精神である「愛をもって仕えよ」という言葉は「隣人を自分のように愛しなさい」というイエス・キリストの言葉につながっていますが、皆さんは自分自身のことが好きでしょうか。聖書によれば、人は神に似せられて作られたものですので、たとえ、自分が嫌いだったり、好きでない人がいたとしても、あなたやその隣人には、何かしらの良い特徴があるはずなのです。だから、自分を愛し、隣人も愛することを心がけてください。
そのためにも、毎週の礼拝には是非参加をして、そこで語られる話に耳を傾けてください。それが心の支えになるはずです。
皆さんのこれからが祝福されたものになるよう、お祈りをします。