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大学礼拝 2016/6/1

カテゴリー:大学礼拝

【マタイによる福音書22:35-40】
そのうちの一人、律法の専門家が、イエスを試そうとして尋ねた。
「先生、律法の中で、どの掟が最も重要でしょうか。」
イエスは言われた。「『心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。』
これが最も重要な第一の掟である。
第二も、これと同じように重要である。『隣人を自分のように愛しなさい。』
律法全体と預言者は、この二つの掟に基づいている。」

イエスの時代、イスラエルの人々は500以上の律法に縛られる生活をしていたといいます。この律法とは、具体的には旧約聖書のレビ記とか申命記に記されているものですが、今日の福音書に登場する律法の専門家は、現代の法律家同様に、その律法の運用に詳しい人たちでした。その一人がイエスに向かって、最も重要な律法は何かと問いかけたのです。

イエスは「心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい」と答えます。神を愛することこそが最も重要であるのは誰にでも分かる話ですが、ただ愛するのではなく、イエスは「心」と「精神」と「思い」という、似たような三つの言葉を使って念を押しています。つまりイエスは心の奥の深いところを問題にしているということです。建前ではなく、自分の心の全てをかけて神を愛し、そして祈る。そうすれば祈りは聞き入れられるということでしょう。

続いてイエスは「隣人を自分のように愛しなさい」とも答えます。隣人というと一般的には身近な人々ということになりますが、神がこの世界を作って、そこに人間を住まわせてくれたことを考えると、隣人とは、もっと広い意味で、人以外の動物や植物などを含めた自然界全体をさしていると思われます。たとえば、原発事故で放射能が人に害を及ぼしたような場合、被害は動物や植物、土、水などにも及んでいることに気遣うことが大切になります。

人間だけの都合を優先しないよう、神に向かって心を込めて祈ってみてください。(チャプレン)

ヒペリカム・ヒデコートと1号館

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