大学礼拝 2017/7/26 「平和を守る」
【ローマの信徒への手紙12:9-15】
12:9 愛には偽りがあってはなりません。悪を憎み、善から離れず、
12:10 兄弟愛をもって互いに愛し、尊敬をもって互いに相手を優れた者と思いなさい。
12:11 怠らず励み、霊に燃えて、主に仕えなさい。
12:12 希望をもって喜び、苦難を耐え忍び、たゆまず祈りなさい。
12:13 聖なる者たちの貧しさを自分のものとして彼らを助け、旅人をもてなすよう努めなさい。
12:14 あなたがたを迫害する者のために祝福を祈りなさい。祝福を祈るのであって、呪ってはなりません。
12:15 喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい。
「平和を守る」というテーマでお話をします。
今日のテーマを選んだわけは、元沖縄県知事の大田昌秀(おおたまさひで)さんがこの6月に、そして、中国の民主活動家の劉暁波(りゅうぎょうは)さんが7月にそれぞれ亡くなられたからです。どちらも非暴力運動を通して自由とか人権を守るために身をささげた方です。劉さんは服役中の刑務所の病院で亡くなっています。
人が愛をもって上下関係に関わりなく平等に付き合えば、世の中は平和になります。大切なことは、「私たちは誰でも平等であるべきだ」という気持ちを持ち続けることです。その例がアメリカにあります。
50年前にマーティン・ルーサー・キング牧師がアメリカの黒人差別に反対して公民権運動を起こしました。彼は途中で暗殺されてしまいましたが、彼の非暴力運動はその後も長く受け継がれ、ついには、黒人系のオバマ前大統領が誕生するに至ったのです。「人は誰でも平等だ、正しいことは正しい」と多くの国民が言い続けたからこそ、アメリカの社会は変わったのです。
自由にものが言える社会は日本では当たり前かもしれませんが、世界には、そういうことができない国もまだあります。でも、そんな国にも周囲の国々からの影響を受けて、いつかは平等な社会が実現するかもしれません。
こういった意識を持って本日の聖書箇所を読んでみるといいでしょう。皆さんが平等への強い関心を持ち続けてくれることに期待したいです。(田中 誠 司祭:名古屋聖マタイ教会)