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大学礼拝「 一つにしてください」2021/4/8

カテゴリー:大学礼拝

【ヨハネによる福音書 17章9-11節】
彼らのためにお願いします。世のためではなく、わたしに与えてくださった人々のためにお願いします。彼らはあなたのものだからです。
わたしのものはすべてあなたのもの、あなたのものはわたしのものです。わたしは彼らによって栄光を受けました。
わたしは、もはや世にはいません。彼らは世に残りますが、わたしはみもとに参ります。聖なる父よ、わたしに与えてくださった御名によって彼らを守ってください。わたしたちのように、彼らも一つとなるためです。

イエスが逮捕されて十字架で処刑される前、イエスの弟子たちは大きく動揺していました。自分たちの心の支え、リーダーであるイエスの逮捕の時が近づいていたからです。イエスが逮捕されたら、おそらく死刑になってしまうと弟子たちは理解していました。さらにイエスだけでなく自分たちも逮捕され、処刑されてしまうかもしれないと、大変な不安の中にありました。
動揺し、絶望し、うつむく弟子たちのためにイエスは祈ります。
彼らを守ってください。わたしたちのように、彼らも一つとなるためです」。
ここで出てくる「わたしたち」とは、父なる神と御子イエスのことです。神とイエスは、極めて深く結びついています。イエスの願いと祈りは、その神との深い結びつきと同じように、弟子たちもまた神と一つに深く結ばれてほしいというものです。
この、イエスによる弟子たちへの祈りとは、今、この地上に生きる私たちへのイエスによる祈りでもあります。イエスは、私たち一人一人のために、神に祈ってくださっているということです。私たちが神さまと深く結ばれることを、他ならぬイエス自身が強く願っています。

では、どのようにして私たちは神と一つにされるのでしょう。
イエスは「一つにされる」イメージを、祈りの中でこう表現しています。
私に対するあなたの愛が彼らの内にあり、私も彼らの内にいるようになるためです。
神はイエスを通してその愛の働きを、この地上に示されました。そのようにして示された神の愛というのは、実は、私たちの間で、私たちのそれぞれの日常生活において、私たちの思い、言葉、行いを通して、さまざまな形で実現されています。それは例えば、保育の現場の中で、保育者と子どもたちとの愛の交わりを通してです。そのようなこの地上の愛の働き、愛によって仕えるという働きにおいてこそ、私たちは神と一つにされていくのだということです。
しかも、私たちがそのようにして神と一つになるようにと、私たちよりもずっとずっと先に、イエスが祈ってくださっています。私たちが自ら祈るよりも先に、まず祈られているのだ、ということを覚えたいと思います。
イエスは、私たちのために祈ります。
彼らを守ってください。わたしたちのように、彼らも一つとなるためです。

私たちが神によって守られ、神と深く結ばれるようにとイエスが祈っておられることを覚え、愛によって仕える者として歩んでまいりたいと思います。  (チャプレン 相原太郎)


春の中庭花壇

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