大学礼拝 2016/6/22
【マタイによる福音書5:9】
平和を実現する人々は、幸いである、その人たちは神の子と呼ばれる。
今日は、明日6/23の沖縄戦終結の日のお話がしたくて、本日の聖句をこのように選びました。
第二次世界大戦に関わる重要な日としては、他に8/15の終戦の日、8/6の広島原爆投下の日、8/9の長崎原爆投下の日が重要です。沖縄戦終結の日はこれら3つに較べるとやや知名度が低いかもしれませんが、しかし、日本国内の地上戦によって、軍人だけでなく多数の民間人が犠牲になったという点で、この沖縄戦は、日本人全員が決して忘れてはならない日です。忘れないことで、「戦争は起こさない」という気持ちと、武力に頼らずに交渉力で解決するという意識を持ち続けることができるからです。
先の東日本大震災でも同じことが言えます。福島の原発事故が原因で避難生活を余儀なくされている人は今も何万人もいます。これなども忘れ去られていく傾向にありますが、原発は本当に必要なのかということを考え続ける意味では、本当に残念なことです。
こういった大切な記憶を失っては、将来にわたり良い判断はできないと思います。
さて、平和とは何でしょうか。難しい問題かもしれませんが、ここに持って来た絵本『へいわってすてきだね』に一つの答えがあります。これは、2013年、沖縄県平和祈念資料館が募集した「平和のメッセージ」への応募作品の中で、小学校低学年の詩の部門最優秀賞に輝いた、当時小学校一年生の安里有生(あさとゆうき)くんの詩を絵本にしたものです。
へいわってなにかな
ぼくはかんがえたよ
おともだちとなかよくし
かぞくがげんき
えがおであそぶ
ねこがわらう
おなかがいっぱい。
やぎがのんびりあるいてる。
…
〈『へいわってすてきだね』(詩/安里 有生 画/長谷川 義史 出版社/ブロンズ新社)より抜粋〉
この詩のすばらしいのは、人の間に戦争がないというだけではなしに、すべての生き物が楽しそうに暮らすことを含めた状態を平和と捉えている点だと思います。このように物事を広く考えることも大切です。
来月7/10は、18歳にまで引き下げられた選挙権が初めて適用される日です。皆さんもぜひ選挙に参加して、平和を考えるきっかけにしてみてください。(チャプレン)