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大学礼拝 2016/7/20

カテゴリー:大学礼拝


【ローマの信徒への手紙12:15】

喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい。

【本日のお話は、この4月に本学に赴任された介護福祉専攻科の芝田郁子先生にお願いしました。先生の前任校である福島学院大学は、2011年3月11日に起きた東日本大震災で非常に大きな被害を受けたところで、彼女もそこでの勤務中に被災をされました。その時のご体験を、スライドを使いながら語っていただきました。以下は、そのダイジェストです。】

本日のご依頼を受けた時に、私は、正直言って、自分が語るにふさわしいかどうかを自問しました。私よりももっと辛い経験をされた方が大勢いらっしゃるからです。それでも、福島に向けて祈りをささげてくださる方が名古屋にいることを知った時に涙したこともあり、私自身が名古屋の出身であることから、ご依頼を受けることにしました。

震災当時の様子をつづった「東日本大震災メモワール 福島学院大学2011年3月11日14時46分の記憶」という冊子に、私の体験が掲載されていますが、そこには、こう記されています。

『(要約)私の人生において忘れることができない一日となった。その日、大学の修了関係の行事の打合せを終え、卒業式に思いを馳せていた。終了後、すぐ研究室に戻る気がせず、実習指導室に立ち寄り先生方と話をし、研究室に戻った。研究室で文書作成中に揺れが始まった。廊下に出るが立っていられない。しゃがみ込んだまま「揺れはすぐに収まるはず」と心の中で繰り返す。揺れが長く続いた後、グランドへ出るが、避難してくる人が皆おびえている。目の前で本館が倒壊する様子は、まるで映画を見るかのようだった。そのうちに雨が降り出し、それが雪に変わった。体育館へ避難するが、家族に電話しようとしても繋がらない。災害情報も気になる。その後、通常20分の道のりを2時間かけて自宅に車で戻った。家の中はひどい状態で、結局、ゴールデンウィークまで片付ける気力が湧かなかった。時が過ぎた8月の「感謝の会兼学院復興記念祭」で学長が言った「そろそろ私たちも季節を感じてもいいのでは」という言葉に、日常に戻って、季節を味わう余裕を持つようになっていいんだと思った。』

さて、この地震で、私は人の運命について考えさせられました。というのも、私たちが当日、打合せのために利用した講堂の天井は落ちたのですが、その会議はたまたま開始時間が繰り上がったため、私は地震が起こる前にその講堂から去ることができたからです。時間通りに会議が始まっていたら、私は天井落下の被害に巻き込まれていたでしょう。

地震の直後でも大学に出勤できたことは、私にとって救いでした。「皆に会って、話ができる。ご飯を一緒に食べる」ことが心の支えとなりました。大学にあった食物栄養科の先生方が作ってくださったカレーライスを皆で食べたのも、今となっては良い思い出です。皆で寄り添って生きることの大切さを強く感じます。(芝田)

地震で大きな被害を受けた福島学院大学(本館)

 

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