大学礼拝 2017/11/15 「収穫感謝祭について」
【申命記16:16-17】
16:16 男子はすべて、年に三度、すなわち除酵祭、七週祭、仮庵祭に、あなたの神、主の御前、主の選ばれる場所に出ねばならない。ただし、何も持たずに主の御前に出てはならない。
16:17 あなたの神、主より受けた祝福に応じて、それぞれ、献げ物を携えなさい。
11月23日は勤労感謝の日です。様々の分野で良き働きをされた人々を覚え、感謝する日です。教会ではこの日に近い日曜日(降臨節前主日)に収穫感謝の日を守る習慣があります。
勤労感謝の日は働く人々に対して感謝する日ですが、収穫感謝の日はすべてのものをお与えくださる神さまに感謝する日です。教会では果物や野菜などを持ち寄って、大人も子どもも一緒に集まって収穫感謝の礼拝を捧げ、神の恵みに感謝します。
旧約聖書の出エジプト記23章、申命記16 章などを見ますと、イスラエルには三つの大きなお祭りがありました。その一つに取り入れの祭り(仮庵の祭り)があり、秋の収穫物を神さまにお捧げし、「神さま、こんなに多くの地の産物が取れました。ありがとうございました。」と感謝しました。これがもともとの感謝の日ですが、今日教会で守っている収穫感謝の日の起源は、今から約400年ほど前、日本では徳川家康の時代にさかのぼります。
1620年9月6日、イギリスから神を信じ、イエス・キリストを信じる人々102人(男78、女24)が新天地を求め、メイ・フラワー号という船に乗って、アメリカに向かいました。12月21日,アメリカの東海岸プリマスに上陸し、そこに丸太小屋を建てました。その冬の厳しい寒さと飢えのために半数近くの人が死んでしまいました。翌年、親切な先住民に助けられ、トウモロコシを作り、僅かでしたがその秋トウモロコシを収穫することができました。人々はこの収穫を心から喜び、3日間にわたって神さまへの感謝のお祭りをしました。
これが今日守っている収穫感謝の日の始まりです。アメリカ合衆国ではリンカーン大統領が1864年、11月第4木曜日を収穫感謝の日と定め、国の祝日として記念しています。
わたしたちはこの日を、日々の糧が与えられていることへの感謝と共に、今なお多くの飢餓の中に苦しんでいる世界各国の多くの人々を覚える日として、大切にしたいと思います。申命記14:22―27では、神さまに捧げられたものを隣人と共に分かち合うことの大切さが強調されています。わたしたちが収穫感謝の捧げものなどを、施設に入っておられる方々、ご病人やお年寄り、孤独な人々にお届けし、感謝と喜びを分かち合うことは意義あることです。
神さまと人々に心から感謝すること、ありがとうございますと言うこと、それが今のわたしたちに一番欠けています。感謝より不平のほうが多い日々です。ですから、日々の生活の中で、意識して感謝の気持ちを態度に表していくようにしたいものです。
来週からの保育実習の現場で実際にやってみてください。(チャプレン大西 修 主教)
ローズマリー