晴天の恵みの中、今年も無事に創立記念行事を終えることができました。主に感謝です。以下、式の模様を簡単にお知らせします。
■学校法人 柳城学院 創立119周年 記念礼拝 (午前9時30分~ 短大体育館)
●前奏:司式者団が入場します。
●聖歌:367番「イエスきみはいとうるわし」【創立者愛唱歌】
●詩編:第23編
●創立119周年記念の祈り
●聖書:ガラテヤの信徒への手紙 第5章1節、13~14節
この自由を得させるために、キリストはわたしたちを自由の身にしてくださったのです。だから、しっかりしなさい。奴隷の軛に二度とつながれてはなりません。兄弟たち、あなたがたは、自由を得るために召し出されたのです。ただ、この自由を、肉に罪を犯させる機会とせずに、愛によって互いに仕えなさい。律法全体は、「隣人を自分のように愛しなさい」という一句によって全うされるからです。
●聖歌:498番「主われを愛す」
●平和の挨拶
●主の祈り
●諸祈祷
・名古屋柳城短期大学のための祈り:全能の神よ、わたしたちはただ主の賜物によってまことの知恵を得ることができます。どうか、み名によって建てられた名古屋柳城短期大学に恵みを下し、教える者と学ぶ者を祝福して、共に知識を深め、主の真理を悟り、愛をもって互いに仕え、謙遜な心で唯一の神を仰ぐことができるようにしてください。主イエス・キリストによってお願いいたします。アーメン
・附属幼稚園のための祈り:天の父よ、あなたのみ名によって建てられた幼稚園、ことに名古屋柳城短期大学の附属幼稚園である柳城幼稚園、豊田幼稚園、三好丘聖マーガレット幼稚園を覚えて祈ります。どうか、子どもたちと教職員を祝福し、豊かな出会いと交わりを通して、ともに光の子として歩むことができるようにしてください。主イエス・キリストによってお願いいたします。アーメン
・創立者及びこれまでの仕え人たちのための祈り
・本学院に関わるすべての逝去者のための祈り
●式辞:理事長 ペテロ 渋澤 一郎 主教
マーガレット・ヤング先生が1898年に自宅で保母養成を始めてから119年を迎えました。今年もこうして記念礼拝を行なえること、あらためて神様に感謝したいと思います。柳城学院も変革期を迎えています。新たな気持ちでスタートしましょう。
今日11/1は聖公会の教会歴で「諸聖徒日」に当たります。色々な聖人らを覚える日ですが、ヤング先生ほか、柳城に関わったすべての人々を覚える日としてもふさわしいのではないでしょうか。
本日の講師である西原廉太司祭は、教会を「鳥の巣」に例えておられます。小枝やビニールなどの様々な物が組み合わさって作られている巣ですが、これが意外に頑丈です。柳城も同じですね。建学の精神である「愛をもって仕えよ」という気持ちで互いに心で強く結ばれて、鳥の巣のように丈夫な柳城を作っていきたいものです。
●式辞:学長 長縄 年延
すばらしい天気になりました。今日を祝ってくれているようです。
来年の120周年記念に向けてキャンパス整備工事が始まりました。正門にあった桜とメタセコイヤが切られてすっきりはしましたが寂しさも残ります。1期工事として来年3月までに学食とラーニングコモンズを有する棟が完成し、それに伴ってキッズルームは3号館へ移設されます。続く2期工事では、来年度、1、2号館をつなぐ棟が完成することでロッカー室が広くなりピアノ個人練習室も増えます。学生満足度調査を踏まえたベストな案ではないかと思っています。工事によって学生の皆さんにもご迷惑をおかけしますが、将来の柳城のためにご協力をよろしくお願いします。
40名から始まり100、150、200と定員を増やしてきた本学ですが、卒業生の総数は7961名で、保母養成校の時代の318名を加えると更に増えます。この大変な数の皆さんが地域の子育てや保育に貢献されてきました。それと共に、これらの方々のお陰もあって本学の就職率は100%を維持しております。
少子化の影響で入学者の確保が難しい時代になりました。それでも1人ひとりが神からいただいた命です。大切に育ててまいります。
建学の精神を胸に、これからも愛と奉仕の業に歩んでいって欲しいと思います。
●聖歌:417番「あなたの平和の」
●永年勤続者表彰
●感謝の祈り:天の父よ、み子イエス・キリストは幼子を祝福し、神の国はこのような者の国であると教えてくださいました。どうかみ名によって建てられた柳城学院に恵みを下し、ここに集うわたしたちが主のみ旨に従って、心もからだも健やかに成長し、信仰の道を学び、主に仕えてみ栄を現すことができるようにしてください。主イエス・キリストによってお願いいたします。アーメン
●祝福
●校歌
●後奏:司式者団が退場します。
●来賓紹介
●名古屋柳城短期大学 特別給付奨学金 2年次奨励奨学生表彰
■第2部 創立119周年記念 特別講演
「創立120周年を迎えるにあたって」-聖公会の中での柳城学院の存在-
学校法人立教学院 副院長 アシジのフランシス 西原 廉太 司祭
本講演の要旨は「597年から続く聖公会の輝かしい歴史の時間と空間の中で、名古屋柳城短期大学は他の聖公会関係学校と共存にしているので、皆さんには、この事実を胸に、誇りを持って歩んでいって欲しい」というものでした。歴史に裏打ちされた権威なるものが、かなり強調されていたように感じました。保育/介護という美しい「草の根的世界」で頑張ろうとする柳城生の心にどれほど響いたでしょうか。
講演で語られた膨大な情報のすべてをここでは紹介できませんが、要点だけをかいつまんでお知らせしておきましょう。
・アメリカのウィリアムズ宣教師が日本への宣教を開始した1859年を日本聖公会の元年としている。彼は立教学院の創始者であり、日本聖公会の初代主教でもある。
・イギリスのバチェラー宣教師は、1877年に北海道(函館)伝道を始めたことを契機にアイヌ民族と深く関わることになる。歌集『若きウタリに』の著者であり聖公会の伝道者でもあったバチェラー八重子は彼の養女である。また、聖公会のクリスチャンでユーカラの伝承者であった金成(かんなり)マツは彼の設立した学校に入学している。『アイヌ神謡集』を著した知里幸恵(ちりゆきえ)はマツの妹の娘である。知里も聖公会のクリスチャン。
・講師が管理牧師を勤める岡谷聖バルナバ教会は、カナダ聖公会から派遣された司祭によって建てられた。当時、製糸業で過酷な労働を強いられていた工女さんらは、この教会で癒され救われていた。
・597年、教皇グレゴリウス1世から派遣されたオーガスティンが、英国カンタベリーに修道院を建てたのが聖公会のそもそものルーツである。カンタベリー大聖堂は全世界聖公会の総本山で、そこの主教座は権威のシンボル的存在。その権威は椅子から座る者へとインストールされるとみなされている。現カンタベリー大主教は第105代ジャズティン・ウエルビー。
・トレント、ヤング、ボーマン、ホーキンスと続くカナダ聖公会の女性宣教師の活動で今日の柳城があるといえる。彼女らの当時の記録や手紙などから、日本人へそそがれた彼女らの愛の深さや、資金を調達しながら学校運営に励んだ姿がうかがい知れる。
■学校法人 柳城学院 創立者記念墓地礼拝
(午後1時~ 日本聖公会中部教区 共同墓地(八事霊園内))
●聖語:イエスは言われた。「わたしはよみがえりであり、命である。わたしを信じる者は、たとえ死んでも生きる。また生きていて、わたしを信じる者は、いつまでも死なない」(ヨハネ 11:25-26)
●聖歌 第181番「主 生きたまえば」(ヤング先生埋葬時に使われた聖歌)
●詩編 第139編
●聖書 ヨハネによる福音書 第14章1~6節
「心を騒がせるな。神を信じなさい。そして、わたしをも信じなさい。わたしの父の家には住む所がたくさんある。もしなければ、あなたがたのために場所を用意しに行くと言ったであろうか。行ってあなたがたのために場所を用意したら、戻って来て、あなたがたをわたしのもとに迎える。こうして、わたしのいる所に、あなたがたもいることになる。わたしがどこへ行くのか、その道をあなたがたは知っている。」トマスが言った。「主よ、どこへ行かれるのか、わたしたちには分かりません。どうして、その道を知ることができるでしょうか。」イエスは言われた。「わたしは道であり、真理であり、命である。わたしを通らなければ、だれも父のもとに行くことができない。
●お話し:チャプレン大西 修 主教
(抜粋)今年もまた諸聖徒日を迎え、こうして柳城に関わりを持つ皆さんと共に墓地礼拝を守ることができ、大変嬉しく思います。イエスをキリストと信じ、イエスに従い、その生涯を全うした数多くのキリスト者を覚え、その生きざまに目を向けることにより、今を生きるわたしたちの信仰がもう一度見つめ直され、問い直される時にいたしましょう。
今日、わたしたちがこうして生かされているのは、イエスに信頼し、彼を一心に見つめて走り続けていったおびただしい信仰の証人の群れに囲まれているからにほかなりません。彼らによってイエスを信じる信仰が、今このようにしてわたしたちに伝えられていることを実感する時、深い感謝の念が内から湧き上ってくるのを覚えます。
柳城119年間の歴史の中に、信仰の先達による物心両面にわたる大きな信仰の遺産を受け継いでいます。その上に現在のわたしたちが立っています。
昨今、わたしたちの周囲を見回す時、残念ながら明るい話題が少ないです。しかし、いつの時代でも人が人として真剣に生きていこうとする時、必ず数多くの難問に遭遇し、そこで呻吟します。今がまさにそのような時代なのです。だからこそ、わたしたちの使命は「世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる」(マタイ28:20)と約束されたイエスを一心に見つめながら、「おびただしい証人の群れに囲まれ、」「神の栄光にあずかる希望」(ローマ5:3)を与えられている者として前進していくことなのです。
●主の祈り
●諸祈祷
●祝福
●聖歌 第495番「イエスよ わが神よ」
●献花
(加藤)